パリで不妊治療

わたし・34歳 旦那・33歳。パリ在住。こどもを望みはじめて半年で不妊治療。顕微体外受精7サイクルトライ。

ベルギーで卵子提供/渡欧1週間目

土曜日に長女を義両親宅にドロップし、日曜日に旦那さんに見送られつつ飛行機に乗り込む。息子が飛行機で寝てくれることを期待して夜便にしたので、パリに着いたのは朝の5時。私たちもさすがに空港まで行くのが辛かったので、空港で送迎タクシーをお願いして自力で来てもらう。

妹の滞在中は、旦那は兄夫婦のところで寝泊まりするという段取りになった。この方がお互い気疲れもないし、子どもと生活時間が全く違うのでスムーズであろうとの判断。私たちも姉妹水入らずだ。小さい子を連れて遠くまで来てくれたなぁ、とじんわりするのも束の間。

飛行機でしっかり寝てきた甥っ子はもう元気いっぱい。着くとまずは居間の模様替えから。旦那のスピーカー、レコードやた触るとひやひやするものが多すぎるらしい。ローテーブルも端に寄せられ、居間は一瞬でプレイグラウンドへ。これは3週間、体力勝負な気がするぞ。

生理サイクルを調整するための薬は飲まなかったので、妹の力を信じて生理待ち。そしてただ単純に妹と(その息子)の同居生活が楽しみで仕方ない。社会人になりたての頃に東京で妹と同居していたのはいい思い出。うまくいきますように。

 

 

ベルギーで卵子提供/渡欧準備

ふたりの子どもを日本に残して来た妹は3泊5日で帰国。

その後はDNA検査の結果待ちなのだが、「特急」の指示で出したという割には、3週間経っても... 4週間経っても... 6週間待っても結果は出ない。1日置きに電話で問い合わせて、繰り返し急いでくれと頼み込むことの繰り返し。

妹が春から育休から職場復帰するという期限もあったので、なにがなんでも3月のサイクルにしたい行いたいと伝えていたのだが、いかんせん「ラボが混んでいる」の一点張りで先に進まずやきもきするばかり。

ようやく2か月経って、DNA検査を全てクリアしたので、スケジュールを組むことができると連絡が来た。2月末に連絡をもらい3月末〜4月上旬にホルモン刺激〜採卵を行い、体外受精を行って凍結する。

妹サイドでは10か月の長女は義両親で預かってもらい、3歳の長男をパリへ連れてくることに。たくさんの人を巻き込んでの一大プロジェクト。しかも長女は私たちの両親ではなく、妹の義両親が預かるという謎の体勢。パリでも甥っ子を半日はシッターさんに見てもらおうということでアレンジ。子どもがいるとアレンジすることがたくさんあるなぁ。

私も会社にも説明して金曜は休み、週2の在宅を駆使して乗り切ることに。

ベルギーで卵子提供/初診 医師面談

午後には事前の検査を持参して医師との面談。

事前に行ってきた検査はメールでもすでに送っており、問題ない旨を確認しているので、簡単な問診で済んだ。ドナーとなる妹に対しては、生理周期やまだ子供に母乳をあげているかなどを(あげている間は、卵胞が取れにくいらしい)。日本ではDNA検査ができなかったので、その検査のみ当日採血を行って検査に出してもらう。期間が3週間から2か月(!)とかなり幅があるので、妹が5月からは職場復帰するので3月までに採卵したい!と主張し「特急」指定してもらう。

その後、看護師が同意書、料金詳細、プラニングなどの、説明自分たちのカウンセリングに続き、ドナーとなる妹のセッションがあった。この時点で、妹はそろそろキャパシティーオーバーで消化不良を起こしている。

私たちもとりあえずサインするが後からもう一回落ち着いて読み直さないとなぁという感じで一日終了。

本日の診察料 1400ユーロ(うち DNA検査1050ユーロ)。自己診療は大変だー。

 

ベルギーで卵子提供/初診 カウンセリング②

自分たちのカウンセリングに続き、ドナーとなる妹のセッションがあった。

フランス語は話せないので、英語でよろしく、と伝えて二人は診察室に入ったのはいいが、しばらくしてカウンセラーから呼び出される。どうも妹が理解しているか怪しいので同席して通訳しろと。(いいのか?と思いつつ、同席)

心理カウンセラーというから、「なぜ卵子を提供しようと考えたのか」「配偶者はこのことについてなんと言っているか」「生まれた子供に対してどう思うか」と言ったことを聞かれるのかと思い、英語で回答を用意していたのだけれど、あまり必要なく、カウンセラーからの重要事項説明と言った趣旨だった。

主に施術のリスク・安全面の説明(ホルモン剤による副作用、OHSSなどの症状、感染リスク、局部麻酔なのでパニックにならないように、採卵後の2サイクルくらいは妊娠しやすいので注意)などや、提供した卵子で生まれたこどもに対して親の権利や義務は発生しないことなどの説明があった。

妹はとりあえず話を消化するところまでいっているのかいまいちわからないが。。まあ、よしとしよう。また別の機会にもう一回私から話すことにする。

ベルギーで卵子提供/初診 カウンセリング①

妹がフランス入りし、3泊5日のパリ弾丸ツアー。ブリュッセルは日帰りで向かう。 

UZ Brusselsは大学付属病院で、ブリュッセル郊外にあり、1日で4つの面談が組まれている。

9時15分 カウンセラーとの面談

早速30分ほど遅れてスタート。60代くらいの女性カウンセラーと私と旦那の三者面談。これまでの不妊治療の経緯をひととおり話す。

卵子提供者は提供したのち、生まれた子供に対して親としての権利も義務も発生せず、民法上も出産をする私が100% 親であることなどを説明される(ここらへんはさすがに知っていた)。

生まれたこどもへの事実告知。欧米では「知る権利」について強調されがちだが、匿名でない卵子提供で生まれたこどもは「知らない権利」もあるという説明。UZ Brusselsでは、80年代からゲイカップルやシングルマザーへの卵子/精子提供で生まれたこどもへの調査を行っており、彼らの約半数は提供者について「知らない」ことを選ぶ。メディアでは、「知りたい」人たちがフォーカスされるので、一般的には知られていないだけで、「知らないでいい」という人たちもいるということを心に留めておいて、と。

また、こどもは段階的に理解していくので、3-4歳の段階では、「自分はどうやって生まれたのか」という質問で、私たちはこどもを望んでいたけれでも、私にはタマゴがなかった。どうしてもこどもが欲しかったのでタマゴをもらって、あなたが生まれた。望まれた子だということをしっかり伝えることで、こどもは自己肯定感を持つ。

これは、養子が「否定」された経験を与えられてしまうのと異なり、ポジティブなストーリーをありのまま伝えられる。この年齢では、抽象的なことを理解するまでには至らないので、誰がタマゴをくれたのかということにまで話が至ることはない。

8-10歳くらいになると、「自分は誰に似ているのか。誰が卵子を提供したのか」ということに興味を持つようになる(もしくは、ずっと興味を持たない人もいる)。その時にどういう説明をするのか。

現状 家族は知っているのか聞かれた。私の両親、妹夫婦、その義両親、旦那の両親、兄夫婦など家族周りで12人が知っている。他にも友達にも話しているので20人くらいいるだろう。これだけ知っている人がいると、意図しないところで、こどもが他の人から聞いてしまうことが最悪のパターン。また、こどもは口にしなくても態度で敏感に何かあることを感じる。

実際、私は当然話すつもりでいたので、これだけオープンに話してきているのだけど、まあ話していく方向だろうな。提供者が誰なのかを「知らない権利」って難しそうだなぁ。ほぼほぼ当たりついちゃうよなー。妹のこどもにも、生まれたこどもに話すのと同じくらいのタイミングで話せばいいとのことだった。戸籍上はいとこだけれど、遺伝子上は異母姉妹なわけで結婚とかはややこしいことになりそうだもんな。確かに話したほうがいいよね。

卵子提供/初診準備

11月12日

ベルギーの病院から渡された検査リストをもとに、妹は日本で早速検査を行ってくれた。血中ホルモン検査やエコーで卵胞の数のカウントなど。DNA検査があったのだけれど、これだけは日本では簡単にできず、ベルギーで行うことに。

11月26日

検査結果が揃いベルギーの病院にメール確認すると、特に問題ないとのことだったので、1月の初診に向けての飛行機などを取る。

12月4日

前回の診察でZouzouがフランスで必要な処方箋やエコーは見てくれるとのことだったので、私と旦那の分の検査リストを持って診察。処方箋を出してもらい、これで1月のベルギーでの初診は準備が整いそう。

このまま順調に進んでくれますように。

ここまで卵子提供関連でかかった費用:ドナー諸検査 ー 7万/飛行機 1月 チケット 東京 ⇄ パリ ー 16万/電車 パリ ⇄ ブリュッセル(3人分) ー 3.5万。計27万円。

 

サードオピニオン

セカンドオピニオンに続き、本日は最後の砦。フランスの不妊治療の権威(と、同僚から聞いた)の先生に、ダメ押しのサードオピニオンを取りに行った。

なんとかごり押しして、もう一回だけ自己卵子での体外受精をしたいと意気込んでいたのだが、おきまりの問診とこれまでの経緯を説明すると。「これ以上やっても意味ないでしょ」と一刀両断。

やはり私の年齢で8回やって、受精卵が一つしか得られなかったというのが全てを物語っているとのこと。可能性をどう解釈してもいいし、ホルモン刺激をして採卵したいなら、自分には施術費が入ってくるからしてもいいけど、あなたの目的は採卵でなくて、妊娠することでしょ、と。低AMH、高FSHで体外受精をしても妊娠の可能性を高めることにはならないし、自然周期でタイミングを取っても一緒だよ、と。

また、長期的な健康リスクについてなんとも言えないので、ホルモン刺激はホルモン刺激は8回以上は推奨しない、とも。

私も旦那もそれ以上何も言えず、最後の自己卵子での体外受精計画はあえなく挫折。ベルギーでの卵子提供での体外受精まで、自然周期でタイミングでトライすることにするかなー。

まあもう散々言われたことだから、泣きはしなかったけれど、やっぱり地味に落ち込むなー。この足踏み感。